会社も社長も損をしない社会保険料の支払い方Ⅱ

2016年05月02日

社長の年収を変えずに在職老齢年金をもらう方法(役員借入金編)
前回から引き続き社長が65歳から在職老齢年金を満額貰える方法をご説明します。
その前に、基本的な在職老齢年金の仕組みをご説明しておきます。
65歳以上の在職老齢年金の仕組みは、標準報酬月額相当額(標準報酬月額+直前12か月の賞与÷12の合計額)と年金月額の合計が47万円を超えなければ、満額支給されます。しかし、それを超えるとその1/2の額が支給停止され、残りが老齢厚生年金として支給されます。
通常役員報酬は、定期同額給与が原則ですから標準報酬月額のみになります。
標準報酬月額の算出については、毎年4~6月に支払われた役員報酬を3で割った金額で計算します。
つまり、毎年7月に提出する算定届がベースとなります。(社会保険料(健康保険・厚生年金)を計算するためのもので毎年計算されています。)
但し、厚生年金保険料については、62万円が上限となっています。従って、それ以上の報酬をもらっている場合も、標準報酬月額相当額は62万円となります。
 例えば、役員報酬100万円で老齢厚生年金額180万円(月額15万円)を例に計算すると、
 標準報酬月額+年金月額               年金停止額
62万円 + 15万円=77万円―47万円=30万円÷2=15万円 
その結果、老齢厚生年金は、全額支給停止となります。(但し、65歳から老齢基礎年金(国民年金)は、標準報酬月額に関係なく全額支給されます。)
では、支給停止されている年金を満額貰うためにはどうすれば良いのでしょうか?
ステップ①役員報酬を引き下げる
まずは、老齢厚生年金満額貰えるところまで役員報酬を引き下げます。
年金のカットが始まる47万円-年金月額15万円=32万円まで役員報酬を引き下げます。
ステップ②会社のB/Sから社長の収入源を探す。
次に役員報酬以外で会社から受取れる収入を探します。多くの同族会社に見られるもの役員借入金です。そうです!!社長が会社に貸しているお金です。発生原因は様々です。資金繰りが大変で社長の報酬が未払い金として残るケースや個人資産を法人へ売却し、個人には未払いになっているケース等々・・・
これが、会社にとって役員借入金として計上されています。金額の大小はありますが、多い会社になると億単位で計上されてことも実際にあります。
この借入金を会社から返済してもらうことで役員報酬を引き下げた分を補てんします。加えて、老齢厚生年金180万円も満額貰えるようになります。役員借入金は、そもそも個人財産ですから社長自身に万一のことがあった場合は、相続財産になり相続税の課税対象になります。会社に残しておいてもだれも喜びません。会社のキャッシュフローで考えると、役員報酬を下げた分を返済してもらうわけですから会社からキャッシュアウトする資金は同じです。貰えるようになった老齢厚生年金分を差し引けば、会社の資金は、その分プラスになります。更には、会社で支払う社会保険料も下がり会社の費用が減少し会社の利益が上がります。会社のPL上(損益計算書)も改善できかつ社長個人は年金が満額受け取れかつ年収が変わらない!!こんなプランは他にはないでしょ? 次回はもっと効果的なお話です。お楽しみに・・・・・  つづく

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