整理解雇(リストラ)のための4要件?

2009年04月07日
①労使のトラブルの多くは解雇に関するトラブル

前回のお約束通り今回は解雇についてまとめてみました。
昨今の経済状況を考えると人員整理をお考えの経営者も多くいらっしゃると思いますので、今回は整理解雇(リストラ)についてご説明します。

労使のトラブルで労働基準監督署に寄せられる相談件数は年々増加し、直近のH20年のデータによるとなんと23.6万件(前年比20%増)。
そのうち解雇にまつわる相談が約10万件を超えています。
トラブルになれば資金的・精神的な負荷も大きく、更にはその他の社員への影響も少なくないはずです。
しかし、企業存続のために不要な社員を抱える余裕もないのも事実です。
できるだけ円満にリストラをするためにどうすれば良いのでしょうか?

②整理解雇の要件はハードルは高い!

整理解雇(リストラ)をするためには、4つの要件が必要です。

1.人員削減の必要性(企業存続や不採算部門の整理)
2.回避措置の実施(人件費以外の経費の削減や役員報酬の減額等)
3.選定対象の合理性・公平性(希望退職の募集など)
4.手続きの妥当性(組合代表者や社員の代表者に説明・協議)

以上4つの要件は最低限必要になります。単に業績の悪化だけでは不十分です。
なかなかハードルが高いですね。
更には、業務上の負傷で休業中その後30日間・産前産後休業中その後30日間の社員は解雇できません。
加えて、訴訟になると解雇に関しては会社側が約7割敗訴しているのが現状です。
仮に和解や勝訴したとして裁判期間の地位保全措置(社員としての立場)・裁判費用等のコストはかかり、リストラした効果も無くなります。

③解雇と退職の違いは大きい

解雇以外の道は、退職という方法があります。

ところで、解雇と退職の違いは何なのでしょうか?
解雇は会社が一方的に雇用契約を終了させることです。退職は相方の合意で雇用契約を終了することです。
この大きな違いは形式的に分かりやすいのが、「退職届」を提出させるか否かです。
つまり、社員に対して退職勧奨をし、これを社員が受け入れ「合意退職」という形が取れれば「解雇」ではなくなります。
当然、4つの要件も必要なくなります。(但し、退職勧奨も強引なやり方をするとこれもまたトラブルになりますのでご留意ください。)

④トラブル回避のための最良策は・・・・・

「解雇」と「合意退職」には大きな違いがあり、その形式的要件である「退職届」の有・無は予想以上に大きな効果があります。
必ず提出させることをお勧めします。

このことは、整理解雇に限らず普通解雇(能力不足・勤務態度不良など)や懲戒解雇などでも同様です。
あくまで「解雇」ではなく、「合意退職」の形を取ることがトラブル回避の最大のポイントです。

また雇用保険の失業給付を考え「社員の為には、解雇の方が有利なのでは?」とご相談を受けますが、退職時に提出する離職票の退職理由を「退職勧奨」にすれば合意退職でも解雇と同様の条件で失業給付は受けられます。
雇用契約はいわば、「結婚」と同じです。
「離婚」時は慰謝料を支払うのが通常です。
合意退職の形を取るにはそれなりの「インセンティブ」が必要です。
社員にとってみれば、収入源を失うわけですから、退職金の加算や再就職先のあっせん等の配慮をすれば、大方のトラブルは解決するのではないでしょうか?

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