ホワイトカラー・エグゼンプションの行方!?

2009年04月08日
①ホワイトカラー・エクゼンプション(労働時間規制適用除外制度)とは?

新年最初の話題は、「ホワイトカラーエクゼンプション」です。

数年前、日本経済団体連合会の提言により自民党政権下で導入を検討していたのを覚えていますか?
アメリカの制度を模倣したものです。アメリカには、日本の様に労働時間を規制する法律がありません。
そのため、週の労働時間が40時間を超えると5割増しの賃金を支払わなければならないという厳しいペナルティを課しています。
そこで、いわゆるホワイトカラーの雇用者に対しての「時間外の割増賃金の適用を除外する制度」が必要になり制度化されました。
これが、「ホワイトカラーエクゼンプション」です。
アメリカの雇用者の約20%がそれに該当します。

日本では、雇用者のうち管理職を適用から除外する以外は原則時間外の割増賃金の適用から除外することはできません。
年棒制の社員には残業代が不要と誤解されている経営者がいらっしゃいますがそれは誤りです。

②能率が低い社員の方が賃金が高くなる?労働基準法?

労働時間と成果の相関関係は、製造に従事している社員であればまだしも、そうでない業務に従事している社員は必ずしも相関関係があるとは言い難いのではないでしょうか?

全く同じ業務に従事している同一賃金の二人の社員がいるとしましょう。
1日8時間でできる業務を10時間かかるAさんと7時間でできてしまうBさんがいた場合、
能率の悪いAさんの方が能率の良いBさんより賃金を多く払うことになります。
なぜなら、1日8時間超は時間外の割増賃金いわゆる残業代が必要だからです。
経営者としては、当然Bさんを評価してあげたいのは至極ごもっともですが・・・・・・・。

社員からすれば「だらだら残業」、経営者からしてみると「残業代の未払い」の温床の一つになっているのではないでしょうか?

③4月に改正される労働基準法の意味するところは・・・・・

労働基準法制定当時(S22年)の日本の中心産業は製造業でした。
その時代は、労働時間と会社の期待する成果には一定の相関関係がありました。
今の時代、産業構造や企業活動が変化し又社員の就業意識や働き方の多様化などで現行の労働時間規制だけでは多くのホワイトカラーの働き方に合わなくなってしまっているのではないでしょうか?

一方で長時間労働に起因する心疾患・脳疾患による過労死や自殺、精神疾患も問題になっています。
二つの問題を同時に解決するのはとても困難ですよね。

そこで、冒頭のホワイトカラーエクゼンプションの導入と月30時間を超える割増賃金率50%に引き上げが同時に検討されました。
しかし、サービス残業・長時間労働を合法化するなどの批判が強く導入されませんでした。

ご存じのように、4月より月60時間を超える時間外の割増賃金率は50%に改正されます。
長時間の残業を抑制するのが趣旨ですが、同時にホワイトカラーエクゼンプションの導入を見据えた改正と思えなくもありません。
(あくまで私個人の見解です。)

ただ、民主党の支持母体の1つは連合(労働組合の親玉)です。そう考えると導入はまだ先なのでは・・・・。

④現状での解決策は・・・

それに代わるものとして導入されているのは「事業場外みなし制」「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」の3つのみなし労働制です。
社員に一定の業務に対しての裁量権を与える代わりに、実労働時間ではなく業務量に見合う労働時間を基準に賃金を決定することを目的として導入されました。
ただ、現状は規制が厳しく採用する企業はとても少ない状況です。

この働き方を有効活用するためにはどんな就業形態であれば採用できるかを理解すれば利用率も向上すると思います。
そこで次回以降で整理して情報をお届けします。

次回をお楽しみしてください。

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