営業社員は残業代がいらない?

2009年04月09日
①事業場外みなし制とは?

今回はみなし労働制のお話です。
みなし労働制には、「事業場外みなし制」「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」と3つあります。
今回は、一番多く利用されている「事業場外みなし制」を取り上げます。

事務所内で常に業務をする社員であれば、タイムカード等で労働時間を把握でき、それに基づき残業代の計算をすることができますが、業務の多くを事務所以外で業務をしている社員は勤務時間を把握できませんよね。
外回りの営業社員や出張・最近では在宅勤務社員もこれに当たります。

例えば、勤務時間が9時~18時(休憩1時間)の会社の場合、所定労働時間は8時間です。
外回りの営業社員が朝9時に出社し、11時ごろ外回りに出かけそのまま直帰します。
11時以降の労働時間は算定困難です。そこで、「みなし労働時間」を適用します。
「労働時間の算定が困難な時は、通常必要な時間は所定労働時間労働したこととみなす。」と就業規則に規定すれば、所定労働時間が労働時間になります。
所定労働時間ですから、当然残業代は発生しません。
その時、内勤2時間はどうなるのかというと所定労働時間とみなすのであれば、内勤時間も含めて所定労働時間として問題ありません。

②みなし制の適用範囲

ところで、同じ営業社員でもこれが適用にならない場合があります。

   ①グループで外回りをしておりメンバーの中に労働時間を管理する人がいる場合
   ②携帯電話等で随時上司の指示を受けながら業務をしている場合
   ③訪問先、帰社時刻等当日の業務の具体的指示を受けた後業務し、その後事務所に戻る場合

あくまで労働時間の把握ができないというのが大前提ですので、上記の3つはそれに当たりません。
言い方は悪いですが、野放し状態の営業社員は良くて、行動管理をしている営業社員はダメということになります。
(行動結果の日報を提出させることは問題ありません。)

③3つのみなし時間

そもそも、「通常必要な時間」をみなし労働時間にするわけですから、必要時間の決め方は

   ①所定労働時間
   ②使用者による通常労働時間
   ③労使協定による通常労働時間 の3種類あります。

通常は必要な時間は法定労働時間内で定めなければなりません。
所定労働時間が8時間の会社であれば①しかありませんが、所定労働時間が7時間の場合は、②③も考えられます。
表題にある営業社員に残業代が必要ないのは①のみで②③は必要時間が所定労働時間を超えて入れば、それがみなし労働時間に含まれ当然残業代は必要です。
仮に①のケースであっても、勤務時間を超えて業務命令で社内会議すればそれも残業代が必要になります。
必ずしも営業社員だからといって残業代が不要なわけではないのです。

④トラブル・残業コストを適正化する方法

外回りは自由に休憩が取れますし、移動時間もあります。
それも労働時間に含めなければならないのは不合理ですよね。
そこで、営業社員に基本給とは別に出している手当、営業手当・業務手当等を廃止し、一定程度の定額残業代に切り替えることをお勧めします。
そうすれば、残業代の割増賃金の単価も下がり、一定程度の残業をさせてもトラブルになりません。
当然、労使の合意は必要ですが・・・・・。

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