サービス残業(時間外手当)代バブルがやってくる!

2011年02月25日

「196億1351万円」。この数字は、H20年度に労働基準監督署の是正指導を受け、企業が実際支払った不払残業代(いわゆるサービス残業代)です。対象企業は、1553社。対象労働者数、実に18万730人。
これらは、社員・その家族からの労働基準監督署等への「相談」に対し、労働基準監督署が臨検等で違反を認めた数字です。
 
「うちの会社は、ちゃんと残業代は払っているつもりだし、私が社長の間は何のトラブルも起きないよ。」と経営者の方は口を揃えておっしゃいます。事実なら大変結構なことですが・・・

1日の残業時間の15分未満を切り捨てたり、残業単価計算を基本給のみで計算し、それ以外の手当(家族手当・通勤手当等を除く)を含めていなかったり、月平均の勤務日数を暦日数で計算したりしていませんか?これでは、賃金の不払いが生じてしまいます。
更には、年俸制、フレックスタイム制、営業職社員なども残業代を支払わなければならないということを意外に知らない経営者が多いのです。
 
社員も在職中は、多少の不満があっても何も言わず清々と働いているように思うかもしれません。
しかし、労使トラブル・未払い残業請求の多くは、社員が退職をした後退職後に起こります。理由は色々あるでしょうが、在職中の不満や個人的な恨みなどなど。

在職中仕事の成果がかんばしくなく、勤務態度の良くなかった「社員」だけではなく、不平・不満なく働いていた「社員」、家族と同様に接し信頼していた「社員」が豹変してしまうケースも少なくありません。

残業料の未払いがあったと事実認定されると通常2年間分(時効が2年)の請求ですから、仮に、月給30万円の社員で1日1時間の未払い残業があったとすると、請求額約113万円。50人の社員を抱えて入れば、約5600万円にも膨れ上がる可能性があります。更に、精神的なダメージも大きなものです。

今やネット社会。社員のデスクに1台パソコンが配備されることが当たり前のようです。
インターネットは、今や辞書かわりに使われ各種多様な情報・知識を入手できるようになりました。
当然このような情報も簡単に入手できます。
更には、労使トラブル解決には、通常の民事訴訟だけではなく、紛争調整委員会への「あっせん」や「労働審判制度」など、社員が訴えやすい環境も整備されてきています。
それを反映してでしょうか?

近年、労働基準監督署等に寄せられた個別労働紛争相談件数は、昨年度24.7万件を超えました。
H14年度と比較すると約2.5倍(H14年度は、10.3万件。
厚生労働省 H21年度個別労働紛争解決制度施行状況より)にも上ります。
そしてこの数字は益々増加する傾向にあります。全てが紛争になるわけではありませんが、件数は年々増加しています。
「うちの社員に限って・・」と考えることは安易すぎるのではないでしょうか?!

現在の労務管理体制を見直し、サービス残業代が発生しない体制づくりが必要です。更には、業務改善による無駄な残業時間の排除・就業規則の改定・モチベーションの向上対策も合わせて必要ではないでしょうか?

経営者が「そんなこと知らなかった」では済まない時代です。気づいたら「裸の王様」状態に・・ということにならないように、今からしっかり対応を検討することをお勧めします。  

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