名ばかり管理職問題

2011年05月01日

労働基準法では、管理監督者に対して労働時間、休憩及び休日に関する適用を除外し、実情に沿った対応ができる規定があります。
つまり、法定の労働時間(1日8時間、週40時間)や法定休日(週1日)を超えて労働させることができ、かつその時間に関しては残業代を払わなくても良いことになっています。
企業にとっては誠に都合が良い制度です。(但し、「深夜時間(22時~午前5時)の割増賃金の支払い」と「有給休暇」は除外できません。)

そのため、管理監督者=管理職と拡大解釈をして適用している会社もたくさんあります。
しかし、これが認められる管理監督者とは、
 ①経営者と一体的となって社員の管理的立場にあり経営者に代わって指揮監督をする者
 ②職務の性質上、労働時間、休憩及び休日に関する規定の枠を超えて働くことが要求されること
 ③自身の労働時間(始業、終業時刻等)などの拘束を受けず自由に出社、退社、休憩をとりうる自由裁量的な取扱いを受けること
以上3点が前提条件になっています。

数年前に大型ファーストフード店・ファミリーレストラン等の店長が「管理監督者に当たるかどうか」という争いが相次ぎ起こり、ほぼ全面会社側が敗訴あるいは和解により、未払い残業代を支払いました。
その際には、賃金の処遇も論点になりました。

ここまでを要約すると
 ①採用・解雇に関する権限、部下の評価・勤務時間管理等に関する権限いわゆる人事権を有する。
 ②経営戦略会議等に参画している
 ③タイムカード等での出退勤が賃金等に影響しない。(遅刻・早退等)
 ④一般社員と比較し、給与・賞与面で相当な優遇されていること
以上4点を全て満たしている場合に限り管理職は、管理監督者と認められることになります。

いかがですか? 大企業は別にして中小企業ではほとんど不可能に近いのではないでしょうか?
ですから、その対策としては役職手当の一部を固定残業代とし、それを超える残業時間に対しては支給する。
これが現実的な対応ではないでしょうか?

仮に管理監督者にあたるとしても長時間の労働による健康障害等の配慮義務は免除されません。
そのための労働時間の把握は当然必要です。むしろそのほうが重要です。
長時間労働や仕事のストレスで健康障害、特に「心の病」になることのリスクの方が会社にとっては大きいのではないでしょうか?
突然にの会社を長期にの休職することを余儀なくされたり、更に進んで過労死・自殺となれば大問題です。

近年過労死の労災認定の件数も増加しています。
過労死で労災認定され、原因が長時間労働によるものであるとすれば、会社側の安全配慮義務違反として遺族からの損害賠償の請求をされる恐れもあります。
実際に損害賠償を受けた会社も少なくありません。
管理職といえども長時間労働にならないよう方策を講じる必要があります。
管理職だからといって、いくら働かせてもよいという時代はもう終わったのかもしれません。

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