ストレス社会が生み出した新たな問題[心の病と労務管理]2

2011年07月29日

「うつ」の患者数は今や100万人を超えています。
10年前と比較して2倍を超え、今後ますます増加傾向にあります。
生涯有病率(生涯で罹る確率)は、一説によると約6.5%。45歳~54歳では8%という統計データーもあります。

自覚症状がなく、本人が気づいていないケースやちょっとおかしいなどの予備軍を含めると決して例外的な病気ではありません。
その為か、会社から「社員がうつになった。どうしよう?」などのご相談が増えています。
相談の多くは、①休職にしたら方がいいかどうか?②「治ったので復帰したい」との申し出が社員からあったが復職させるべきでしょうか?などの相談です。
その際必ず確認させて頂くのが就業規則の休職・復職の規定です。
休職規程が明確になっていないと無用なトラブルが起こります。
そこで、「メンタルヘルス不調者精神疾患に対応するためのポイント」を整理しておきましょう。

一般的な休職規程では、私傷病等の場合「就労不能な状態が一か月以上続く場合」とあります。
つまり、一か月以上継続して休まないと休職にならないことになっています。
「うつ」の場合、初期には本人の自覚がないケースがほとんどです。
遅刻気味になったり、会社に来ると腹痛・頭痛など体調が悪くなり遅刻・早退を繰り返すケースが多く見られます。
そんな状態が続き、ある時突然、会社に出社できなくなります。
それから病院へ行き「うつ」と分かり、診断書とともに休職願いが提出されます。
でも、職場の同僚・上司は様子がおかしいことはずっと以前から気付いています。
診断書が提出される頃には、かなり重症になっていますることが多いので完治するまでに長期間を要してしまいます。
場合によっては職場に復帰できなくなるかもしれません。
であれば、その前に休ませることができる規程を盛り込んだ方が会社・社員にとっても損失は少なくて済みます。
会社に来たり来なかったりが続く場合は、会社が業務命令で医者師の診断の上休職させるというような規程にすべきです。

次は、復職するときの規定です。
復職時の記載は、一般的には「主治医の診断書をもって復職させる」主治医が書く診断書は、「病気が治ったかどうか」です。
特に「うつ」の場合、病状を医師が知る情報方法は本人(患者)の自己申告に頼ることが多く中々判断が難しい様です。
その様な診断書だけでは、判断材料としては不十分です。
仮に、病気が治っていても、元の職場で正常な仕事ができるかどうかは全く別の話です。
それが、高度な仕事であればある程大きな開きがあります。
そこで、復職基準は主治医とは別の「会社側の指定医師(産業医)の面談を必要とする。」という規程を盛り込むことが重要です。
社職員側の医師・会社側の医師の意見を聞いて、その結果を受けて決定する。
そしてその決定は、産業医・人事労務部長・直属の上司などで構成された、復職審査会などを設置して協議で決定できる仕組みがあれば万全です。
更に、長期休業者が職場環境や仕事に少しずつ慣れていくために休職中のリハビリ勤務制度を設定するなどの規定があれば本格職場復帰の可否の精度が更に高まります。

「うつ」は決して治らない病気ではありません。
早期発見・早期の治療が何より重要です。
「うつ」の最大高の治療は原因となる「ストレス」を取り除くことです。
そのためには、「脳の休息(脳の極度の疲労を回復)」が最も効果的です。
大切な戦力(社員)を失わないためにしっかりとした対策を検討下ください。

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