労使トラブル解決の仕組み(個別労働紛争解決制度)

2013年03月04日

個別労働紛争解決制度は、平成13年10月に施行された「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づき設立されたもので、労働関係についての個々の労働者と事業主との間の紛争を円満に解決するために設けられた制度です。
各都道府県の労働局に総合労働相談コーナーが設置され、会社側・労働者側とも気軽に相談できるようになっています。

平成22年度の相談件数(民事上の個別労働紛争相談件数)は24万6,907件にも上りました。
これは制度発足当初の平成14年度と比較すると2倍以上の件数です。
また、相談者の81.2%が労働者側で圧倒的に労働者側が利用している制度です。

総合労働相談コーナーに寄せられた事案は、労働基準監督署にも情報が共有化され、その事案に違法性が認められれば、当然労働基準監督署による事業者への検査(労働基準監督署によるいわゆる臨検)が入ることもあります。
また、事案の中で都道府県労働局長が紛争解決援助を必要であると判断した場合は、助言・指導を行います。
それでも解決できない場合は、紛争調整委員会によるあっせん又は他の紛争解決機関(裁判所における労働審判や民事訴訟)の解決の場が用意されています。
あっせんを選択するか、労働審判等の他の紛争解決機関を選択するかは、申出人が自由に決めることが可能です。

あっせんとは、紛争調整委員会が労働者と会社側の中を取り持ち解決する場です。
従って、勝ち負けを決める裁判のようなものではなく和解交渉を前提としています。
つまり、お互いの言い分をどこかで折り合いを付けるということになります。
もちろん会社に全く否がないという自信があれば「あっせん」に応じないことも可能です。

更に、労働審判もあっせんと同様に和解交渉を前提としています。
あっせんとの違いは、裁判所で行われ、仲裁者が労働審判官となり、弁護士を労働者側・会社側それぞれに代理人として立てることができるということです。
もちろん代理人を立てずに訴えを起こすことも可能です。

一方、民事訴訟は、双方の代理人である弁護士が争う裁判です。
あっせん・労働審判と違って原則、勝ち負けが決まるまで争います。
当然ですが、民事訴訟は、期日や回数に特に制限はありません。
しかし、労働審判は原則として期日が3回と決まっています。
これは、労働審判においては、審理を迅速に行い、早期解決を図ろうとしているからです。

つまり、あっせんや労働審判は、費用も少額で済み、短期間で終わり、労働者側からも簡単に申請できる仕組みだということが理解頂けると思います。
民事訴訟は、訴訟費用も高額になり、期間も長期に及びますので敷居が高く、ここまで発展する事案は限定的ですが(H22年度で3,127件)、あっせんや労働審判へ至る事案は約1万件弱にも膨らんできています(H22年度あっせん新規受理件数は6,390件、労働審判事件新受件数は3,375件)。
こうした制度を知ると益々労使のトラブルは未然に防ぐことが、「会社を守る」上で必要不可欠であるということを再認識頂けるのではないでしょうか?

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