在職老齢年金2(65歳以上の場合)

2009年04月05日
①厚生年金保険料は、何歳まで払うの?

60歳~64歳までの在職老齢年金の話は、主に再雇用した従業員の賃金決定に関わる話ですが、65歳以上の在職老齢年金の話は主な対象は、役員・特に社長自身に関する話です。

その話に入る前に厚生年金保険料は、何歳まで払うのでしょうか?
従業員は、定年退職までです。
定年60歳だと退職日、再雇用で65歳まで雇用が延長されても65歳までです。
ただ、定年のない役員は、退職しない限り厚生年金保険料は70歳に達した日まで支払わなければなりません。

②報酬が多いと在職老齢年金が65歳になっても受け取れない?

老齢厚生年金は、特別支給の老齢年金は60歳、本来の老齢年金は65歳から受給できます。
つまり、保険料を払いながら老齢厚生年金を受給している人の老齢厚生年金のことを在職老齢年金といいます。
在職老齢年金は、報酬(標準報酬月額+賞与額÷12)+年金月額によって年金額が減額される仕組みになっています。
65歳からは46万円が基準になり報酬と年金月額の合計が46万円を超えると超えた分の1/2が支給停止になります。(60歳~64歳は28万円が基準)

例1 毎月の報酬80万円、賞与なし、老齢厚生年金月額20万円とすると
 (*62万円+20万円-46万円)×1/2=18万円
 年金月額20万円-18万円=2万円となり、支給停止額は18万円。年金月額2万円です。
 (65歳から支給の老齢基礎年金は全額支給されます。)
  *標準報酬月額の上限は62万円。
③役員のみなし退職後は厚生年金保険料は支払う?
例2 毎月の報酬を40万円まで下げると*40万円の標準報酬月額は41万円。
(*41万円+20万円―46万円)×1/2 =7.5万円
年金月額20万円-7.5万円=12.5万円。支給停止額は7.5万円
年金月額は12.5万円に増えます。

更には、社会保険料(健康保険料+厚生年金保険料)が約3.2万円下がり、所得税・住民税も約7.5万円下がります。
報酬を40万円下げたとしても手取額は、約19万円下がるだけです。

ところで、「みなし退職」ということをご存じですか?
 ①代表権を外し
 ②報酬を50%以下にする
 ③常勤から非常勤になる
この要件を満たせば、仮に取締役として会社に残ったとしても「みなし退職」ということで勇退退職金を支給することができます。
後継者に経営をバトンタッチする際によく活用されています。
非常勤役員になれば、社会保険に加入しなくてもよくなります。(実態が伴っていれば)
もう厚生年金の被保険者ではありませんから、保険料の支払い、年金のカットも無くなります。
そうなると手取額では、報酬80万円の時と手取額は10万円程になってしまいます。

例1 報酬80万円+在職老齢年金  2万円= 82 万円(手取額 約63.6万円)
例2 報酬40万円+在職老齢年金12.5万円=52.5 万円(手取額 約44.8万円)
例3 報酬40万円+老齢厚生年金 20万円= 60 万円(手取額 約53.6万円)
④年金制度はどう変わるのでしょうか?

9月16日には、いよいよ新政権が発足します。
社会保障重視の政策を打ち出しているだけに今後の年金制度改革に大きく期待したいところです。
しかし、年金改革は今すぐ実施しても新しい制度は早くて、20年以上先の話です。
少子高齢化が止まらない限り、給付額アップも期待できません。
現制度をよく理解し、より有利な活用をお勧めします?!

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