在職老齢年金1(60~64歳の場合)

2009年04月01日
①老齢厚生年金は何歳から受給できるの?

そもそも老齢厚生年金は、何歳から受給できるのでしょうか?65歳ですか?それとも、生年月日によって支給年齢は違いますか?
答えは、65歳からです?!
「それはおかしい!」と思われた方はかなり知識のある方です。
実は、60歳~65歳までは特別支給の老齢厚生年金がまだ支給されています。

S61.4新しい年金制度に変わりました。(国民年金・厚生年金の一元化)その時に60歳支給から65歳に改正されました。
但し、経過措置として残っているのが特別支給の老齢厚生年金です。これは、65歳までの有期年金です。
更に、H6年・H12年の法改正により、生年月日によって段階的に支給開始年齢が遅くなっています。
特別支給の老齢厚生年金は定額部分(国民基礎年金にあたる部分)と報酬比例部分(齢厚生年金の部分)に分かれていて、それぞれ段階的に支給開始年齢を遅らせています。

今年の4月2日以降60歳になった男性(S24.4.2生まれ~)は、ついに定額部分はなくなり、報酬比例部分だけになりました。(女性は5年遅れ)更に、S36.4.2以降生まれの男性(現在48歳)、S41.4.2以降生まれの女性(現在43歳)は、特別支給の老齢厚生年金は無くなり65歳からしか受給できなくなります。(詳細は社会保険庁のHPを確認ください。)

②厚生年金の保険料を払っているといくつになっても年金が貰えない?

現在60歳以上の方は誰でも受給できるのでしょうか?
これがまた違います。
60歳で定年退職し、その後お勤めにならない方は受給できますが、仮に会社員を続け厚生年金の被保険者、つまり厚生年金保険料を払っていると一定基準で年金が受給できなかったり、年金額がカットされたりするのです。
これが、いわゆる「在職老齢年金」です。
定年のない経営者や役員さんは、これに該当します。
60歳~64歳までの場合は、

 総報酬月額(前年度標準報酬月額+1年間の賞与額/12)+年金基本月額(厚生年金月額)

が28万円を超えると満額受給できません。

更に高いと年金が受給できなくなるケースもあります。
H18年4月より高年齢者雇用安定法が施行され、60歳定年の企業でも本人が希望すれば65歳までの再雇用が義務化されました。(H25年3月31日までは経過措置あり)又65歳まで定年延長を検討する企業も少なくありません。
もはや、この問題は経営者や役員だけでなく従業員も大いに関係することになります。

③公的年金は世代間扶養のはずですが・・・

国民基礎年金の加入期間は20~60歳までですが、厚生年金は違います。
年齢ではなく会社に勤務している期間です。(但し、70歳以上は保険料の支払いはなくなります。)
つまり、70歳までは、「保険料を払いながら年金を受給する」というおかしな事になっています。
そもそも、公的年金は民間の年金保険と違って、「自分の貰う年金のために保険料を払っているのではなく現在年金を受給している方のために払っている」いわゆる世代間扶養の制度として成り立っているはずです。
在職老齢年金の仕組みは、まさに同世代間扶養の仕組みになってしまっています。
もちろん、支払った保険料は、将来の老齢厚生年金の年金額に上乗せされますが・・・・

④60歳から再雇用する社員は働かせるのがよいか?

先程もお話したとおり、60歳~65歳までは会社は雇用の機会を与えることが義務化され、これから60歳を過ぎても働く社員を多く企業として抱えなければならなくなりました。
そこで、それらの社員をどのように働かせ・賃金をどう設定するか?は大きな経営課題になりつつあります。
人件費を効率的にし、従業員の満足感を与えられるかが重要です。
在職老齢年金以外に60歳で定年を迎え再雇用すると一定条件で雇用保険から高年齢雇用継続給付金も従業員本人へ支給されます。
あまり賃金を高く設定すると、貰えるはずの年金がカットされ雇用継続給付金も貰えず、更には、社会保険料も負担しなければならなくなります。

制度をしっかり把握し、賃金・在職老齢年金額・高年齢雇用継続給付金額の3つで手取り額の多くなるように設定するのが従業員さんにとっても・会社の人件費削減にも得策です。
更に、労働時間を工夫すると更にメリットが増します。
是非、一度検討してみては如何でしょうか?

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