難解?在職老齢年金の仕組みその1

2010年04月20日
①今回は、在職老齢年金の仕組みの解説です。

老齢年金は、現在65歳から支給開始になりました。
しかし、厚生年金だけはまだ経過措置が残っており60歳から特別支給の老齢厚生年金が65歳になるまで貰えることになっています。(男性S36.4.2 女性S41.4.2以降生まれの方は残念ながら経過措置も無くなり65歳からの支給になります。)
一方、保険料の負担はというと会社を辞めない限り(第2号被保険者の間)は70歳まで支払わなければなりません。
つまり、60歳~70歳までは厚生年金被保険者(保険料を支払う人)であり、厚生年金の受給権者(年金を貰う権利を持つ人)ということになります。
その方々は、「会社から給与が出ているので、年金をその分少し減らしますよ!」これが、在職老齢年金という仕組みです。

②在職老齢年金は、厚生年金被保険者でなければ関係がない!

ただ、60歳以降の仕事をしている方全てが対象になるわけではありません。
週30時間を下回るような労働時間(短時間労働者)で働く限りは、厚生年金被保険者から除外されます。当然年金は満額貰えます。(その分報酬は下がりますが・・・)
加えて、60歳で会社を退職し、個人事業主として新たに仕事を始め高額な収入を得ていたとしても年金のカットはありません。
あくまでも厚生年金被保険者だけが、在職老齢年金の対象者なのです。
あくまで標準報酬月額相当額(標準報酬月額+直近1年間の賞与の12分の1)と年金月額相当額が問題になります。
つまり、年金事務所が収入を把握できる給与所得だけが対象なのです。(何か変ですが・・・)
具体的には、60歳~64歳の場合は、
「標準報酬月額相当額と年金月額が28万円を超えると超えた分の1/2。更に標準報酬月額相当額だけで47万円を超えるとその超えた分」も支給が停止されます。(停止された年金は永久に貰えません。)

例えば、
   ☆60歳男性で標準報酬月額相当額が38万円で年金月額が10万円の場合
    65歳未満は、(38万円+10万円-28万円)×1/2=10万円 年金月額10万円―年金停止月額10万円
    この場合年金は全額停止します。(年収は456万円)

   ☆60歳男性で標準報酬月額相当額30万円に下げた場合は、
    30万円+10万円―28万円)×1/2=6万円なので 年金月額が6万円停止され、4万円となります。
    (年収360万円+年金年額48万円=408万円)

額面では、年間48万円の差がありますが、社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金)は年間①の方が約13万円多く支払うことになり、所得税住民税も下がります。
一定の要件を満たせば雇用保険からも60歳時の月額給与から下がった額の一定の保障がされます。
結果、手取額としてはほとんど変わらなくなります。つまり、会社がいくら社員のために給与を多く支払ってあげて社員の手取りはあまり変わらないのです。
今後は60歳以降の雇用者が増加すると思われますので、工夫次第では人件費を大幅に削減が可能です。

③65歳未満と65歳以上では、カット額が大きく違う。

65歳以上の場合年金停止額は(本来の老齢厚生年金)
「標準報酬月額相当額+年金月額=47万円を超えると超えた分の1/2」です。
いつまで続くかというと保険料の支払いは70歳で終了しますが、年金の停止はそれ以降も続きます。
会社を退職するまで。65歳以降も会社を辞めない方?そうです。社長・役員の方々です。創意工夫で年金額のカット額が減らせる方法もあります。

次回は、65歳以降の方の賢い貰い方を伝授します。お楽しみに・・・・

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