難解?在職老齢年金の仕組みその2

2010年04月21日
①65歳以降も続き老齢年金のカット

前回に引き続き在職老齢年金の話です。
厚生年金の被保険者である間は、何歳であっても会社からの報酬によって老齢厚生年金のカットは続きます。但し、65歳以降の場合は仕組みが少し違います。
 1)年金のカットは、「標準報酬月額相当額+厚生年金月額=46万円を超えるとその超えた分の1/2)」になります。
 2)65歳からは、老齢基礎年金(国民年金)も合わせて貰えるようになります。(これは厚生年金とは関係ありませんから報酬に関係なく満額支給されます。)
最近は65歳以上の経営者も多くなりました。私の存じ上げている現役社長の最高齢者は90歳です。今でも現役ばりばりです。
通常社長さんの報酬は、皆さん高いのでほとんど在職老齢年金は支給されません。
しかも、保険料は70歳になるまでは支払わなければなりません。
そこで、少し工夫をすれば手取額を減らさずに在職老齢年金を貰うことができます。

②手取り額を減らさず在職老齢年金を貰う方法

在職老齢年金のカット額は、標準報酬月額相当額(標準報酬月額+賞与額×1/12)で決まります。
つまり、報酬以外で会社から社長が受け取る収入は含みません。受け取れるものがあれば、そちらを優先し、報酬を下げます。
例えば、社長が会社に貸し付けている貸付金はありませんか? 社長が万一のことがあれば、相続財産に含まれてしまいます。(相続税の対象)残しておいても得なことは1つもありません。
毎月社長に返済金として返していく方が得策です。その分報酬を減らせば資金繰りも問題ありません。
返済金には、税金も社会保険料もかかりませんから手取額はむしろ増えます。
無償で貸している不動産などがあれば、正当な賃料をとっても同様の効果が出ます。
事例で説明します。

事例☆1 現在の月額報酬80万円・年金月額15万円のケース
  (62万円+15万円―46万円)×1/2=15.5万円(支給停止額)  在職老齢年金は全額カットです。

事例☆2 貸付金返済月50万円・月額報酬30万円・年金月額15万円のケース
  (30万円+15万円―46万円)×1/2=0万円(支給停止額)  在職老齢年金は満額貰えます。

更には、社会保険料も大幅に削減できます。
会社に貸付金などがないという優良会社であれば定期同額給与を事前確定届出給与に変えると同様の効果が得られます。
(詳細をお知りになりたい方はご連絡下さい。)

③更にお得! 年金の繰り下げ

月額報酬を下げれば標準報酬月額が下がり保険料が下がります。厚生年金は、60歳以降も保険料を支払った分はその後の年金額に反映します。
今まで通りに続けた場合①と下げた場合②では、退職後に受け取る年金額に差が出ます。
そこで、繰り下げ支給という方法を使います。
本来65歳から受給できる年金の受給開始時期を遅らせると利息がつく仕組みです。1か月につき0.7%増えます。実に年平均利回り8.4%の利回りです。
仮に70歳で退職し、それまで5年間繰り下げておくと142%になります。終身年金ですからその額は一生涯続きます。
これは、月額報酬を下げたことによる減少分を大きくカバーできます。
せっかく貰えるようになった年金を貰い始めての良いのですが、「繰り下げて増やして貰う」これが賢い貰い方だと思います。
但し、その後長生きをして年金を長く貰い続けないと損するケースもありますので、是非長生きをしましょう!!

記事カテゴリ一覧

人事 採用 労務など企業の抱える問題を解決します。Copyright (C) 株式会社GAKUコンサルティング/ GAKU社労士事務所. All Rights Reserved.