退職金制度の見直し その1

2010年04月01日

春なので...装いも新たに新シリーズのスタートです。
日頃、気にはなっているけどそれほどあまり真剣に考えたことがない事柄を集めてみました。題して、「気になる!?気になる話」です。
第1回目は、「退職金制度の見直し」の話です。数回に分けて解説していきますので気楽にお読みください。

①退職金の起源は「のれん分け」?

日本の退職金の始まりは、江戸時代にまで遡ります。
三井家「現在の三越」で始まった「のれん分け」が 始まりといわれています。
お店で丁稚奉公人が奉公し、その後成長し、独立する際の手助けとして「のれん代」を現物支給したのです。
その後、永年働いた奉公人への報奨金として現金で支払われるようになったそうです。
つまり原点は、長年の勤務に報いる「功労報償」でした。
「経営者の気持ち」が原点です。

②退職金の法的根拠

現在は、労使関係が明確に法的整備され制度化されていますが、そもそも労働基準法上義務づけられているものではありません。
ただ、「退職手当の定めをする場合には、基準を定めなさい」ということになっています。
更に、一度決めるとそれを廃止したり、減額したりすることは労働条件の不利益な変更にあたり、原則社員全員の同意がないと変更出来ないというハードルも出来ます。
努力義務ではありますが、支払財源に対する保全措置を講ずる必要も出てきます。(賃金の支払いの確保等に関する法律)

③退職金の目的とは?

このように退職金は、法律上義務ではないにも関わらず現在は約90%の企業で制度化されています。
それには、それなりの効果や意味は当然あるのですが、退職金の意味や効果を考えて制度化された会社は以外に少ないのではないのでしょうか?
目的・効果は大きくは3つあります。
  Ⅰ功績報償「在職中の勤務や功績に対する慰労金」
  Ⅱ生活保障「定年後の老後の生活保障として」
  Ⅲ賃金の後払い「在職中の賃金が労働価値以下の支払いであるという前提で退職時に精算する」

以上3つの目的・効果を取り入れるかによって当然制度自体が違って当然です。
極論を言えば、Ⅱの考え方だけであれば、「定年退職時」にだけ退職金が支払われる制度でも問題ないでしょう。
Ⅲの考え方であれば退職金制度を無くして、賃金を上げれば問題ないでしょう。
しかし、現実にはⅠ~Ⅲの複合的な目的を込めて作られるのが一般的です。

④退職金は2つの制度を同時に考えることが大切!

もうひとつは、「退職金を実際に支払う時までどうやって財源を確保するか?」を考えることが必要です。
つまり、退職金の積立制度をどうするかということです。
社員のモチベーションを上げることを考えれば、出来るだけ支払えるに越したことはないのですが。。
財務体力が万全であればなんら問題ないように思われますが、退職金は、会社にとってみれば「費用」です。
それもいつ発生するか予測不能です!いわば、貸し倒れの債権と同じなのです。
その問題を解決出来る積立制度は不可欠です。
退職金制度は、2つの制度があって始めて成立します。
退職金制度を見直す場合は、支給水準・支給の計算方法はもちろんですが、積立制度を見直すことをまずは考えるべきではないでしょうか?
一般の考え方とは違うかもしれませんがこれは、私の持論です。

次回さらに詳細解説をします。次回につづく!!!

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