退職金制度の見直し その2

2010年04月02日
①社外積立のメリット(中小企業退職金共済制度は効果的?)

前回に引き続き退職金制度の見直しの話です。今回は退職金積立制度について解説します。
積立制度は、大きく分けると社外積立と社内積立に分けられます。
社外積立とは、中小企業退職金共済、特定退職金共済、確定給付企業年金、確定拠出企業年金などがあります。
その中で一番なじみのある中小企業退職金共済でメリットをみてみましょう。

  ☆1会社は、社員個々に将来の支払いに備えて毎月掛金を拠出します。

全額経費処理されますから会社の資産から無くなります。
社員が退職したときは、退職金共済機構に積立ておいた金額が直接社員へ支払われます。つまり、退職金支払い時に会社の費用とはなりませんから、当期のPL(損益計算書)の利益には影響がなく退職金は支払いが可能です。

  ☆2更には、運用利回りを1%約束しています。新規加入の場合国からの補助もあります。

その結果、掛金累計 より受取額は多くなります。
例えば、毎月1万円を拠出した場合、30年の掛金累計360万円に対して421.3万円が受取れます。約61.3万円の運用益を享受でき退職金の原資が少なくて済みます。(30年でたった61.3万円ですが。。。。。。)
一見良い制度に思えますが。。。。。。。

②社外積立は一度拠出すると2度と会社に戻ってこない!!

今から20年前は、運用利回りも高く社外積立制度には大きな魅力がありました。
先程例で比較するとの運用利回りを5.5%以上あり、掛金累計360万円に対して890万円約2.5倍になった時代もありました。
なんだか夢のような話ですが、実際に20年前はそうでした。それを思う昨今の運用益のメリットはほとんどないに等しいですよね?
更には、社外に積立てるとその掛金は社員のものになります。つまりは、退職金としてしか利用できないお金になってしまいます。一回社外に拠出すると2度と会社のお金にはなりません。
例えば、社員を懲戒解雇した場合、退職金規程上は全部又は一部不支給にする規定があれば、退職金共済機構から社員へ退職金が渡らなくすることは可能です。しかし、そのお金は会社には戻ってこないばかりか他の社員の退職金原資にもなりません。
結果として共済機構へ寄付することになってしまいます。 なんだかとても不自由で、納得し難いですよね。
本来、退職金とはして賃金の後払いとして将来渡すつもりで準備するものです。でも2度と会社に戻ってこないのであれば退職金の前払い=社員の給与として支払っていることと同じです。
毎月の掛け金1万円であれば社員50名分で、1万円×12か月×50名=600万円にもなります。
仮に止めてしまえば、600万円の経費削減になり、会社の利益になります。利益率3%の会社であれば2億円の売上に匹敵します。本当にこのまま続けていいのですか?!!!

③社内積立てで準備することのデメリット

一方、「社内積立」とは文字通り社内で積み立てることです。預貯金等で運用することになるのですが。。。
当然退職金の支払は、会社の資金からになります。退職金の支払い期のPL(損益計算書)上費用ですから、支払期の利益が減少することになります。
仮に、支払期が赤字だったとすると更に費用が増え、赤字を増やすことになります。会社に支払えるだけのお金があっても支払うことができるでしょうか?
社内積立を選択される場合は、このことを解決する仕組みを同時に制度化しなければ安定した積立制度とは言えません。

次回は、具体的な仕組み作りについてご説明します。つづく。。。。

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