退職金制度の見直し 最終回

2010年04月03日
①退職金は、会社にとっては費用になる!

前回に引き続き退職金制度の見直しのお話です。
前回、退職金の積立制度は「社外」より「社内」の方が良いですよ!と書きました。
ただ、退職金の支払い時には「社外」積立と違って会社の資金で支払うことになります。
そこで、「退職金」=費用に対応する仕組みを合わせて整備する必要があります。
なぜなら、現預金から支払うということは、費用(損失)がその期の利益を圧縮してしまいます。

例えば、退職金支払が1000万円発生した期の最終利益(退職金支払前の)が500万円とします。
退職金支払前の最終利益500万円-退職金1000万円=‐500万円の赤字となります。
こんなことが起きないように、現金と利益を同時に実現する仕組みを入れることが必要です。

②生命保険を使って賢く積立をする!

具体的には、法人契約の生命保険を使います。法人契約すると、保険料の全部又は1/2を損金処理できかつ 満期保険金や途中で解約すると会社にお金が戻る商品を使います。
しかも、掛けた保険料分あるいは、それ以上戻ってくる商品もあります。(死亡保険金ではなく)この商品を社内積立制度として利用します。
法人契約の生命保険は、掛金を損金処理することで節税になるということは、一般的に広く知られていますが、解約時や満期保険金の受取時のメリットはあまり理解されていないようです。
ただ、受取時の経理は至極簡単です。
満期保険金又は解約金-資産計上額=利益(雑収入)たったこれだけです。

銀行預金と1/2損金タイプの生命保険の比較をしてみました。
解約金がほぼ掛金累計額と同様という想定です。(保険料1000万円支払って解約金も1000万円)
保険料の1/2が損金、残り1/2は資産に計上されますので500万円。銀行預金は当然資産計上1000万円です。
満期保険金・解約金の受取り時は 解約金1000万円-資産計上500万円=利益500万円
会社は1000万円の現金(解約金)と500万円の利益を同時に手にすることができます。
これが銀行預金と決定的に違います。
退職金(費用額)と利益額が相殺され、退職金を1000万円支払っても赤字にはなりません。
しかも、法人契約の生命保険は、権利は原則会社に帰属します。(従業員ではなく。)
いつでも、支払を止めること、貸付を受けること、最悪止めてしまうことも可能です。
その時は全て会社に戻ります。しかも、退職金の財源として用途が限定されるわけではありません。
如何でしょう!この仕組みを積立制度として採用すれば、あえて「社外積立」を選択する必要も無くなりますよね!

③退職金規程も自由に設定可能になる。

もうひとつ、社内積立てを選択することのメリットは、退職金規程の見直しそのものも自由に出来ることです。
当然、退職金の給付額の減額や既得権の確保は、労使の話し合いが必要ですし、安易にすることはお勧めできませんが、「社外積立」を利用していると規程を変更し退職金額の水準を変えれば当然に社外積立も見直さなければならなくなります。
場合によっては各種の規制で規程自体の変更が難しいケースも出てきます。それは、本末転倒ですよね。
最後に、「社外積立」を批判しているものではありません。メリットも多くあります。それらを有効に活用できるのであれば、それはそれで良いかもしれません。 

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